Orchestra Mμsicart 第6回公演「届かなかった たった一通の手紙」 解説ページ
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本日はご来場いただき誠にありがとうございました。
このページでは、謎解き企画で出題した各問題の回答と解説を掲載しています。


謎1
 「私が作成した『眠れる森の美女』の楽曲の中で使用されていない楽器は次のうちどれか?該当する1つをすべて通り、かつ穴を通らないようにして、スタートからゴールまで同じ道を通らず最短で進み、通った文字を読んで指示に従い答えを導け。」

解き方
 手紙には「演奏中に使われていない楽器がどれか特定する」よう書かれており、選択肢としてホルン、ヴィオラ、シンバル、オーボエの4つがありました。舞台配置図を参考に各楽器に注目すると、実はホルン、ヴィオラ、オーボエは冒頭から演奏をしています。しかし、シンバルは最後まで使用されません。

 続いて手紙の迷路について考えます。手紙には「該当する1つをすべて通り、かつ●(あな)を通らないようにして、スタートからゴールまで最短で進み、通った文字を読んで指示に従い答えを導け」とあります。穴を通らないようシンバルのイラストをたどると「ニホンノ ユミノ アイダヨメ」というメッセージが出てきます。弓といえば、弦楽器で使うものになります。迷路に書かれている2本の弓とヴァイオリン、これらの2つの間を読むと、「ミラー」という文字があります。これが謎1の答えとなります。


謎2
 「私が作成した『くるみ割り人形』の楽曲の中で冒頭開始30秒後に独奏をおこなう楽器は何か?特定した楽器を同じ色同士で線を結んだとき、線が通る文字を左から順に読め。指示に従い、4文字の答えを導け。」

解き方
 問題文にある「冒頭開始30秒後に独奏を担当する楽器」ですが、これは下手側(客席から見て左手側)にあるハープが担当していました。手紙にはハープのイラストがいくつかあります。同じ色のハープを結んで少し遠ざけて見ると「ノート」というカタカナが浮かび上がります。しかし答えは4文字なので一文字足りません。手紙には「特定した楽器を同じ色同士で線を結んだとき、線が通る文字を左から順に読め」とあります。左から順に読んでいくと「あらわれ たもの むすべ」となります。

現れたもの、すなわち「ノート」を線で結べということです。手紙にはノートのイラストもあります。こちらもハープと同様に線で結んでみます。するとハープ同士を結んだ線とノート同士を結んだ線が合わさって「レシート」という文字が浮かび上がります。これが謎2の答えとなります。


謎3
 「この謎は、私とあなたにまつわる問題にした。左の言葉を表すように、枠にシールを貼れ。そのとき、下の青い四角の枠の中で同じ色の楕円同士を線で結び、通る文字を左から読め。」

解き方
 手紙には「私にとってモーツァルトは『音楽の?』」、「あなたが生まれた曜日」の2つが書かれています。公演パンフレットに記載されているチャイコフスキーの説明を読んでいくと、2段落目の冒頭に「『音楽の神』と崇めたのがモーツァルトである」と書かれています。?に入るのは「かみ」となります。そしてメック夫人の説明の冒頭を読むと「1831年2月10日、土曜日」に生まれたと書かれていたので、あなたが生まれた曜日に入るのは「ど」となります。

 次の指示は「左の言葉を表すように、枠にシールを貼れ。」です。先ほど確認したように、「かみ」と「ど」を表すよう枠にシールを貼っていきましょう。「か」は虫の蚊のイラストがあります。こちらを向きに注意して貼ります。「み」と「ど」は音符のシールを活かしましょう。本編冊子6ページの、ドレミ表記が書かれたメモを手がかりにすると、(位置を書く、図も挿入)貼るべきシールが分かります。これでシールが貼れました。

 次の指示は「同じ色の楕円同士を2つの線で結び、通る文字を左から読め。」赤い楕円、黒い楕円をそれぞれ結んでいくと、通る文字は「ソファー」です。これが謎3の答えになります。


謎4
 「これまでの3つの謎の答えを右の①~⑦に埋めて、指示に従え。」

解き方
 これまでに導き出した答えのうち、番号が振られている文字を番号順に並べると「ドレミファソラシ」と音階の順番になります。次の指示には「653 = 年齢 762 = 悪い となるとき、手紙を使って、「765」と「355」を順に作り、赤い枠内に2つの「613」をおさめよ」とあります。数字をそのまま音階に置き換えると「ラソミ=年齢 シラレ=悪い」と意味の分からないことになってしまいます。そこで、本編冊子7ページにある挿絵」を活用します。

 音階は、私たちがよく馴染みのあるドレミと続く表記の他に、ABCで表記することもできます。ド=C、レ=D……と音階がアルファベットと対応しています。先ほどの指示にあった数字に対応する音階のアルファベット表記を当てはめてみましょう。653=ラソミ=AGEとなります。AGE、すなわち年齢となります。同様に、762=悪いについてもアルファベット表記を当てはめてみると、762=シラレ=BADとなります。BADすなわち悪いとなり、書かれている手紙の指示は「数字に対応する音階のアルファベット表記を当てはめる」という意味だと分かりました。

 では、指示にある765、355、613にもアルファベットを対応させましょう。765=BAG、355=EGG、613=ACEとなります。つまり指示文は「手紙を使ってBAG、EGGを順に作り、赤い枠内に2つのACEをおさめよ」となります。もう一枚の手紙を見るとカバンやたまご、ハートのエースのトランプのイラストの一部があります。カバン、たまごができるように手紙を折っていきます。指示文の続きには「赤い枠内に2つのACEをおさめよ」とあります。赤い枠はシールの台紙に2つあります。謎3では音符などのシールを使いましたが、ここではシールの枠となっている台紙部分を剥がして折り曲げた手紙に貼ります。赤い枠に折り曲げた紙のACE、つまりハートのエースのカードが見えるように貼ります。するとシールがあった枠から言葉が見えるようになります。しかし、一部にインクのシミがあり読めなくなっています。

 このインクでできたシミ、どこかで見覚えがありませんか?実は謎1で迷路にあった黒丸と同じなのです。謎1ではこの黒丸を「あな」と表現していました。このシミを「あな」として読むとこうなります。

 「さいじょうきゅうのかんしゃをあなたにつたえたい」……これが、チャイコフスキーがメック夫人に伝えたかったメッセージのようです。


最後の謎
 「133年133日前」に手紙を送れるよう、封筒に適切なシールを貼る
 行動キー暗号の謎を解き、「行動キー」が、いつ/何をするのかを導く

解き方
 まずは、この謎を解くのに必要なキットを整理します。

  • 2つ折りされている「行動キー」
  • シールが一枚貼られた「封筒」
  • これまで使っていた「シール」の残り
  • 公演パンフレットに挟まれていた「郵送サービス」のチラシ

 手紙を本来送るべきであったメック夫人の元に届ける方法を考えていきましょう。一つ目の準備として「『133年133日前』に手紙を送れるよう、封筒に適切なシールを貼る」という指示があります。チャイコフスキーは元々この手紙を133日前のメック夫人に届けるために「郵送サービス」を利用しました。しかし、なぜか133日後のNCC、つまり練馬文化センター(Nerima Culture Center)に届いてしまいました。そこで「郵送サービス」を使って、チャイコフスキーが本当に送りたかった133年前の今日からさらに133日前の日付に手紙を送れるようにします。

 チラシを参照すると、133年と133日前に手紙を送るには「133+『ソ』『ド』『レ』のシール」の組合わせで時間の指定をすれば良さそうです。

 ここで、そもそもなぜチャイコフスキーの手紙は、誤って133年後に送られて来てしまったのでしょう。チャイコフスキーは133日前に送ろうと考え、チラシの案内の通り「133+『レ』」の組み合わせで時間を指定したはずです。しかし、実際には133年後に送られているので、この封筒には「133+『ソ』」の組み合わせで時間を指定したと判定されて届けられています。「レ」と「ソ」に着目するとシールを上下反転させると一致することがわかります。実は、チャイコフスキーは郵送に必要なシールを上下逆さまにして使っていたのです。チラシの郵送サービスはdrive one thing、通称「dot」と呼ばれています。シールの台紙もピエロが逆立ちした状態が正しい向きなのです。しかし、チャイコフスキーは手紙の一番最初にも書いてある通り、「top」と認識してシールを使用していました。なので、チャイコフスキーは「レ」のシールを貼ったつもりで、本当は「ソ」のシールを貼ってしまい、133年後の現代に届けられてしまったということになります。

 シールの正しい向きが分かったところで、改めて133年と133日前に手紙を届けるための準備をします。封筒には上下が逆さまですが「ソ」のシールが貼られているので、あとは「ド」「レ」を貼れば準備完了です。

 次に、「行動キー暗号の謎を解き、『行動キー』が、いつ/何をするのかを導く」という指示について考えます。

 【いつ】のところには「きいちろいちはりな」、「ごおむじぎご」という文章と、それぞれから伸びている矢印には「シール内の掃除用具」、「シール内の文房具」という指示が書かれています。シールには「ちりとり」、「消しゴム」があります。それぞれの文章に対して「ちり」取り、消し「ゴム」を適用すると「きいろいはな」、「おじぎ」となります。空欄を埋めると「きいろいはなを身につけた人がおじぎをするとき」という文章になります。花のワルツの演奏の際に指揮者が黄色い花を胸ポケットにつけていました。すなわち、行動キーの「いつ」というのは、「指揮者が演奏の最後にお辞儀をするとき」となります。

 【何をする】のところは、示された種類のもののどの方向を読むのかをシールから読み取り解く謎になっていました。チャイコフスキーが勘違いしていた、シールが「top」と読める向きにしてみます。この時「一番左下にあるシール」は上を指さしており、楽器のイラストに対して上の文字に着目すると「りずむ」となります。この法則に従うと「真ん中にあるシール」は左を指さしているので、動物の左の文字を読むと「すわったまま」となります。「一番右上にあるシール」は下を指さしているので、乗り物の下の文字を読むと「はくしゅ」となります。合わせると「すわったままはくしゅ」となります。

 しかし、シールが「top」と読める向きは正しい位置ではありませんでした。シールが「dot」と読める向きにして改めて謎を解いてみます。「一番左下にあるシール」は変わらず上を指さしているので「りずむ」です。「真ん中にあるシール」は右を指さしているので、「たちあがって」となります。「一番右上にあるシール」は変わらず下を指さしているので、「はくしゅ」となります。したがって、【何をする】の正しい答えは「たちあがってはくしゅ」となります。

以上をまとめますと、「行動キー」にしたがって「きいろいはなを身につけた人がおじぎをするとき/たちあがってはくしゅ」をすれば、手紙が届けられることになります。すなわち、指揮者が『悲愴』の演奏を終えて観客に向けてお辞儀をしたときに、立ち上がって拍手をしていただいた方こそが、チャイコフスキーの届かなかったたった1通の手紙を届けることができた方となります。

 ここまで多くの謎を解き、手紙を送り届ける手がかりを集めた皆様、本当にお疲れさまでした。謎を解きつつ、オーケストラの演奏も聴くという新たな体験はいかがでしたでしょうか。楽しんでいただけたら幸いです。最後に、見事にメック夫人へ手紙を送ることができた皆様へ、チャイコフスキーから感謝の手紙が届いています。彼との時を超えた交流をもって、本公演の謎解き解説を終了とさせていただきます。

 この度はオーケストラミュージカルト 第6回公演「届かなかった たった一通の手紙」にご参加いただき、誠にありがとうございました。